京都産業大学 第4節 総評

関西大学リーグ

試合の詳細

関西ラグビーフットボール協会 マッチレポート

苦しんだ要因

ハンドリングエラー

小雨が降る中、定刻の14時に京都産業大学ボールでキックオフ。同志社はキックオフのボールをキャッチすると、すぐにタッチへ蹴り出し、京産大にボールが渡る。試合開始からわずか40秒で京都産業大学のアタックが始まった。

序盤から積極的に攻め続け、約1分半にわたって敵陣でボールを保持したものの、最後はノックフォワードでボールを失い、逆に同志社に先制トライを許してしまう。特にこの一連の流れでは、ボールが後方に逸れる場面が複数見られ、安定したボールコントロールに苦しんでいた。

その後も前半25分までに、6回のノックフォワードが発生。シンプルなアタックでコンタクトエリアに勝負をかける京産大にとって、ハンドリングエラーの多発はリズムを崩す大きな要因となった。ボールを保持し続けることで流れを掴みたい京産大にとって、こうしたミスは致命的であり、試合の主導権を握ることが難しくなった。

アンストラクチャーへの対応

この試合、アンストラクチャーからトライに繋げられた。京都産業大学の対応が甘かったのか、同志社のアタックが見事だったのか——その両方が絡み合っていたように感じる。

先制トライの場面では、京産のノックフォワードからすぐに裏へ蹴ったわけではなく、同志社は一度ラックを形成。その次のフェイズで裏のスペースへ巧みにキックを放ち、チェイスで勝ってトライに結びつけた。京産としては、最初のラックができた時点で裏のスペースをケアできていれば防げた可能性もあった。個々の対応が一歩遅れていた印象は否めない。

一方で、同志社はターンオーバー直後に的確にスペースを見極め、そこにボールを運んでいた。後半15分のトライも見事だった。京産のノックフォワードのボールがそのまま同志社の9番・田中選手の手に収まり、そこから一気に展開。BK陣のスピードと判断力が光った場面だった。

この2つのトライからは、同志社のバックス陣が持つポテンシャルの高さが際立っていた。アンストラクチャーな状況でも冷静に判断し、スペースを突く力は、京産にとって大きな脅威となった。

セットプレー

京都産業大学といえば、スクラムで優位に立ち、試合の流れを支配するスタイルが持ち味。しかしこの試合では、いつものような圧倒的な強さを見せることができなかった。

同志社に押し込まれ、スクラムでペナルティを取られる場面もあり、京産らしさが影を潜めた印象だ。セットプレーでの安定感が揺らぐと、アタックの起点も作りづらくなり、試合全体のリズムにも影響を及ぼす。

関西リーグも終盤に差し掛かり、さらにその先の大学選手権を見据えると、このセットプレーの修正は急務となる。京産が本来のスクラムの強さを取り戻し、再び試合を支配する姿を見せてくれるのか

キープレイヤー

伊藤森心

ボーナスポイントを含む勝利。その裏には、やはりこの男の存在があった。青いヘッドキャップをかぶり、ラインアウトではジャンパーとして確実に空中戦を制し、ボールキャリアとしても前進を重ねる。そして何より、彼の代名詞とも言えるジャッカルで、幾度となく相手のチャンスを摘み取った。

伊藤森心は、プレーだけでなくキャプテンとしての役割も全うした。仲間を鼓舞し、レフリーとも冷静にコミュニケーションを取りながら、チーム全体をまとめ上げる姿はまさにリーダーそのもの。試合後のコメントでは勝利に浮かれることなく、冷静に反省点を口にする姿勢も印象的だった。

この試合に限らず、今季の京産を牽引しているのは間違いなく彼の存在だろう。伊藤がグラウンドに立ち続ける限り、たとえ全勝でリーグを駆け抜けたとしても、チームに慢心は生まれない。そんな信頼と責任を背負うキャプテンがいることが、今の京産の強さの源なのかもしれない。

ゲーム終盤の強さ

流れを変えるプレー

後半59分。同志社が再逆転され、スコアは28-26。次のスコアをしたい同志社は、再開のキックオフから深く蹴り込み、SO吉本がタッチへ蹴り出す。ボールは22m付近までしか届かなかったが、結果的には敵陣でのラインアウトという理想的なエリア取りとなった。

ここで同志社にとっては絶好のチャンス。しかし、ラインアウトはノットストレートの判定。スタンドからは同志社ファンのため息が漏れた。流れを掴みかけたところでの痛恨のミスだった。

続く京産の選択はスクラム。同志社はここで猛プッシュを見せ、レフリーの手は同志社に。同志社ベンチ前ということもあり、この日一番の歓声が上がった瞬間だった。得たペナルティで一気に5mラインまで攻め込む。

しかし、ここで再びミスが起こる。ラインアウトの場面で、ダブルモーションの判定。競技規則では、フッカーが投げるふりをすることは禁止されており、サインの不一致による戸惑いが原因のように見えた。もし前半のようにラインアウトからのサインプレーでトライを奪えていれば——そう思うと、試合の流れは大きく変わっていたかもしれない。

補足として、この反則から得たフリーキックで京産のSO吉本がすぐにボールを受け取り、奥深くへ蹴り込んだ判断も見事だった。ピンチを凌いだ直後に一呼吸おいてしまえば、相手は整った状態で守備に戻れる。そうさせない吉本の判断力は、京産の勝利を支える冷静さそのものだった。

総評

総じて、京都産業大学のチーム力の高さが際立った一戦だった。同志社の大島キャプテンが試合後に「ボディブローのように効いていた」と語ったように、京産のプレーはじわじわと相手にダメージを与え、試合の流れを掌握していった。

結果としてボーナスポイントを含む勝利を収めた京産だが、試合後には反省点も挙げられており、勝ってなお次に繋げようとする姿勢が印象的だった。スターティングメンバーもほぼ固定されてきており、チームとしての成熟度は確実に高まっている。

この安定した土台の上に、個々のプレーの質と判断力が加われば、今後の関西リーグ、さらには大学選手権に向けて、京産はさらに強さを増していくだろう。慢心することなく、着実に歩みを進めるその姿勢が、今季の京産の真価を物語っている。

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